「米ドル/円」「ユーロ/米ドル」「英ポンド/米ドル」など、通貨ペアには様々な種類があります。
初心者のうちはどの通貨ペアを取引すればいいのか分からない人も多いと思います。
そこで当ページでは初心者が通貨ペアを選ぶ際のポイントや、おすすめの通貨ペアを紹介します。
まず抑えておきたい通貨ペアの仕組みについて
大きく分けると、通貨ペアの仕組みは以下の2つに分けることが出来ます。
・ドルストレート
・クロス通貨
ドルストレート
ドルストレート(ストレート)とは、世界の基軸通貨である『米ドル』と直接取引する通貨ペアのことを言います。
例えば、「ユーロ/米ドル」「英ポンド/米ドル」「NZドル/米ドル」などがドルストレート通貨になります。
ドルストレートの場合、2か国間での要因で相場の動きが決まるので、比較的値動きが読みやすく、相場が安定しているという特徴があります。
クロス通貨
クロス通貨とは、ドルストレートとは逆で、米ドルと直接取引しない通貨ペアのことを言います。
例えば、「ユーロ/英ポンド」「豪ドル/NZドル」「英ポンド/円」などがクロス通貨になります。
クロス通貨の中で、円を含むものを「クロス円」と言います(※ただし「米ドル/円」は米ドルと直接取引なので「ドルストレート」)。
クロス通貨の取引は、必ず基軸通貨である『米ドル』を挟むことになります。
「英ポンド/円」を取引する時は、直接「円」で「英ポンド」を買うわけではありません。「円」で「米ドル」を買い、その後「米ドル」で「英ポンド」を買うことになります。
つまりクロス通貨の場合、2か国間だけでなく複数の国の要因で相場が決まることになるので、値動きを読むのが難しく、相場も安定しづらいという特徴があります。
また、2つの取引を同時に行うので、スプレッドも広くなりやすいです。
初心者が通貨ペアを選ぶ際のポイント
流動性が高く安定した値動きをするか
初心者が通貨ペアを選ぶ際には、流動性のことをしっかり意識することが大切です。
FXにおける流動性とは、市場参加者が多いかどうかといった意味で考えると分かりやすいでしょう。
流動性が高いと市場参加者が多く、素早く決済を行うことが出来ることになります。
反対に流動性が低いと、市場参加者が少ないため、通貨の買い手(売り手)が見つからずに、なかなか決済をすることが出来ないことになります。そのため、「売りたい時に売れない」「買いたい時に買えない」といった状況に陥りやすくなり、希望の価格で売買することが出来ない場合が多いです。そして気が付いたら価格が大きく変動していて、大きな損失を招く危険性もあるのです。
つまり流動性が高い通貨は値動きが安定しやすく取引しやすいというメリットがありますが、流動性が低い通貨は値動きが安定せず、激しく上下に動く時もあるので、初心者には不向きだと言えます。
短期取引ではスプレッドの狭さも大事
短期間で何度も売買をして利益を狙う場合は、取引回数が多くなるのでスプレッドの狭さも重要なポイントになってきます。
スプレッドは取引手数料のようなものなので、狭い(低い)ほど良いということになります。
初心者が選ぶべき通貨ペアはダントツで「米ドル/円(USDJPY)」
以上を踏まえると、FX初心者におすすめの通貨ペアはダントツで「米ドル/円(USDJPY)」となります。
「米ドル/円」は取引量が多いので値動きは安定しており、予想だにしない急激な変動というのが起きにくく、チャート分析が比較的しやすいという特徴があります。また、スプレッドも狭く設定されています。
そして何よりも、世界で最もメジャー通貨である「ドル」と、自国通貨である「円」との取引ですから、最もイメージが湧きやすく分かりやすいというのがあります。
そのため初心者がトレードに慣れるために最適な通貨ペアであると言えます。
また、米ドルは先進国の中で高めの金利となっているので、保有しているだけでスワップポイントを得ることが出来るというメリットもあります。
「米ドル/円」の取引におすすめのFX会社は「GMOクリック証券」と「みんなのFX」です。とちらも米ドル円スプレッド業界最狭水準で、スワップポイントも高めに設定されています。特にGMOクリック証券は取引ツールにも定評があります。
「米ドル/円」以外で選ぶならこの2つ
「米ドル/円」以外で初心者におすすめの通貨ペアは「ユーロ/円(EURJPY)」と「ユーロ/米ドル(EURUSD)」です。
ユーロ/円(EURJPY)
ユーロは、EU(欧州連合)を中心に流通している通貨です。
米ドルに次ぐ世界第2位の通貨ということもあり流動性は高く、情報を入手しやすいためチャート分析も比較的しやすいです。
価格変動は大きめなので短期で取引したい人に向いています。ただ、ハイリスク・ハイリターンになるので、「米ドル/円」である程度取引に慣れてからトレードすることをおすすめします。
また、金利状況によってはスワップポイントがマイナスになりやすいので、長期取引には向かないでしょう。
「ユーロ/円」の取引におすすめのFX会社は、「SBIFXトレード」と「DMM FX[PR]」です。とちらもユーロ/円スプレッド業界最狭水準で、短期トレードに向いているFX口座です。
ユーロ/米ドル(EURUSD)
世界1位の取引量を誇る「米ドル」と、次いで世界2位の取引量を誇る「ユーロ」による通貨ペアです。
クロス円ではないため、分かりづらいと思う初心者も多いかもしれませんが、「ユーロ/米ドル」は取引量が非常に多い通貨ペアですので、比較的値動きは読みやすいです。
ただ値動きは大きく、レートが一気に上昇したり、反対に下落したりすることも多いので、トレンドの見極めには慎重になる必要があります。
「ユーロ/米ドル」の取引におすすめのFX会社は、「FXブロードネット」と「DMM FX[PR]」です。とちらもユーロ/米ドルスプレッド業界最狭水準で、取引ツールも使いやすく評判の良いFX口座です。
初心者にはおすすめしない通貨ペア
初心者には「トルコリラ」「南アフリカランド」「メキシコペソ」などの新興国通貨はおすすめしません。
新興国通貨のようなマイナー通貨は、取引量が少なく流動性が低いため、何かある度に価格が大きく変動しやすいです。
その分大きな利益を生み出すチャンスもありますが、反対に大損するリスクも高いので注意が必要です。
「トルコリラ」や「南アフリカランド」は高金利通貨と言われており、スワップポイントで人気のある通貨ですが、上記の理由から初心者にはおすすめはしません。
まとめ:初心者はドル円からスタートすべし!
初心者はまずはドル円からスタートすることを強くおすすめします。
取引量が多く値動きが安定しているので、強制ロスカットのリスクも少なく、初心者でも手堅くトレードすることが出来ます。
またアメリカと日本の情報は入手しやすいので、相場分析をしやすいのも大きなメリットです。
ドル円は短期でも長期でも、慣れるまでは最適な通貨ペアだと言えます。まずドル円からスタートして経験を積むようにしましょう。